ゲーム愛置き場

今年21の若造が、今までにプレイしてきたゲームの率直な感想を語ります。

Life is Strange

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"Life is  Strange"(以下LiS)はインパクトのあるストーリーと、特徴的なビジュアルとサウンドが作り上げる情緒ある雰囲気で話題になった、数多のゲームアワードを受賞しているPS4発のキラータイトルです。

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かくいう僕も初めてプレイした時、とてつもない衝撃を受けました。プレイする映画という言葉を正に体現しているゲーム。ゲームを映画で比喩するのはあまり好きではないですが、そう言った方が伝わりやすいので致し方なし。まあ、詳しい話は追い追い話します。

僕自身、予めLiSの評判を知っていてこのゲームを購入したわけではありません。高校辞めてやる事ねーなーって途方に暮れてた時に、何となく寄ったお店で印象的なパッケージに一目惚れして、ついつい手に取ってしまいました。

あと…安かったんですよね。新品で¥5,000切ってたと思います。金無し男には本当にありがたかった。

 

さて、本題に入ります。ここからはLiSというゲームの魅力についてたっぷり語っていきたいと思います。

 

ビジュアル

まず目につくのは、超が付くほど独特なビジュアルですよね。極度にリアルテイストなビジュアルが多い洋ADV界隈ですが、このゲームはひと味もふた味も違います。

ただリアルテイストに寄せるだけではありません。白く大きな紙のキャンバスに、アクリル絵の具で思いっきり書き殴ったかのような、絵の具ならではの暖かさとほんの少しの雑さを感じさせる、非常に情緒のあるビジュアルなんですよね。

これがいいんです。日常の中にある非日常を表現するのに、これほど適したビジュアルは無いでしょう。何処か身近に感じたい、だけど決して近くはない。そんな絶妙な距離感を演出しているように思えます。

後に記す、サウンドとのシナジーもこれまた凄いんです。

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とある教室での授業中。この暖かさ、伝わりますかね…。

 

あ、悪いところが1つだけあります。フォントが安っぽいです。慣れると大丈夫ですけど、第一印象はあんまり良くないですね。

 

サウンド

LiSの雰囲気の魅力は、ビジュアルとサウンドの見事までに高いシナジーです。このゲームのサウンドで、特徴的なのが"挿入歌"です。

主に挿入歌として使われているのは、インディーズの洋楽。カントリーミュージックだったり、エレクトロニカだったりと、幅広い挿入歌が使用されています。

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Syd Matters - To All Of You (Official music video) - YouTube

オープニングムービーで流れる挿入歌、"To All Of You"。できればLiSをプレイして、その中で聴いてほしい。きっとその方が、あなたにとって印象的な曲になるから。

 

全ての曲に一貫として言えるのが、激しい曲調では無い事です。しっとりとした優しい曲調が基本的には多いのですが、時に少し心が騒めくような曲調や、はたまた陽気な曲調であったり、場面に応じた的確なサウンドLiSの物語を演出します。

このゲーム、キャラクターによって流れる曲が全然違うんですよね。性格や特徴の対比までもがサウンドを使って上手く表現されています。

主に挿入歌について記しましたが、勿論BGMも一級品です。ぜひ本編をプレイして味わっていただきたいです。

 

 

システム

まずLiS最大の特徴である、主人公マックスの持つ"時を巻き戻す能力"ですね。これは正直、ストーリーありきの物なので、システム面単体で評価できる物では無いのかなと思います。

僕がLiSのシステムにおいて1番評価しているのはズバリ、"没入感"です。1番最初に、このゲームはプレイする映画だと記しました。でもただの映画じゃ無いんです。プレイしなきゃ意味が無い、文字通りゲームでないといけない理由があるゲームなんです。

チープなQTEであったり、テキストを読み進める為だけのコントローラーであったり、おまけ程度のゲーム要素ではありません。自分自身がLiSの世界に入り込み、自身の思考や方法でLiSの世界を知る事ができる。そんなシステムがこのゲームには仕組まれています。

探索のさせ方が上手いんですよね。朝のダイナーでの何気ない会話であったり、ただそこに置いてある缶詰であったり、全てに等しく意味があり、それを自身が追求する事で知る事ができる。それも3人称視点の無機質なテキストではなく、キャラクター自身の生きた心の声で知る事ができるんです。

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誰にだって心の声ってありますよね。LiSは気になるオブジェクトを選択すると、その心の声が聴こえるんです。それが仲の良い友人であろうと公園のゴミ箱であろうと、聴こえる声は平等です。

 

自身で世界を探索して、都度選択をする。それがチープな体験でない事LiSの大きな特徴であり、ゲームでなければいけない理由だと僕は考えています。

 

ストーリー

ココがダメだと他がどれだけ良くても、ADVとしては致命的ですよね。

勿論イイです。最高です。

LiSは分岐型のマルチエンディングです。ゲームオーバーの概念もありません。主人公のマックスは時を戻す能力が使えるので、選択を取り消す事ができます。ただし結末は1つしかありません。

選択肢が絶妙なんですよね…。結果を知って時を戻しても、結局どれが正解なのかが分からないんですよ。しかも時を戻す能力に依存しているといずれ痛い目にあいます。僕はあいました。

細かな選択から大きな選択まで全てがストーリーに作用します。イジメっ子と仲良くするも良し、能力を悪用して報復するも良し。その選択が最後にどう転がろうが、自分次第です。正解も不正解もありません。

 

エンディングは中々考えさせられましたね。自分に正直な選択をし続けてきたつもりだったんですけどね。答えが無いにしても、答えという拠り所をつい探してしまいます。

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主人公のマックス(左)と物語のキーマンである、親友のクロエ(右)

彼女たちが迎える結末はぜひ自分の手でプレイして確かめてみて下さい。

 

最後に

かなーり簡潔にまとめました。まだまだ語りたい事は山のようにありますが、ここで一旦締めましょう。

 

"Life is Strange"というゲームは映画ではありません。ゲームです。ゲーム実況などで満足するのには、あまりにも勿体ない作品です。

是非あなたの手でプレイして、存分に堪能して頂きたいです。

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